ジェイテクト、亀山第2工場ボールハブユニットの新ラインを披露

 ジェイテクトは4月19日、ハブユニットのグローバルモデル工場として昨年第2工場が新設された同社・亀山工場(三重県亀山市)で、ボールハブユニットを中心とした軸受事業の展開やIoEソリューションなどに関する記者発表会を開催した。また第2工場において、ボールハブユニットの新型グローバルスタンダードライン(GSL2)を披露した。
GSL2新グローバルスタンダードライン(GSL2)

 当日はまず、同社専務・軸受事業本部長の宮﨑博之氏から、軸受の国内事業再編により、国分工場が産業機械用軸受の旗艦工場として競争力向上を図っていること、自動車用ボールハブユニットを国分工場から亀山工場に移管しボールハブユニットの新型グローバルスタンダードライン(GSL2)のモデル工場として競争力向上を進めていることなど、軸受事業の最近の概要が述べられた。また、現在は3世代で約500億円、1~3世代総計で670億円程度のボールハブユニットの年間売上を、2020年に900億円に拡大する目標が、さらに亀山第2工場に約3億5000万円を投じ、次期軽自動車向けボールハブユニット用に生産能力をより増強したコンパクトなGSL2を新設する計画が、発表された。
宮崎氏宮崎専務・軸受事業部長

 次いで自動車軸受開発部部長の百々路博文氏からは、ハブユニットの世代進化について説明があった。ハブフランジを取り込んだ内軸を一体化した3世代ハブユニットでは、自動車メーカーでの組立工数の削減や、ユニット化で部品点数を削減しての軽量・小型化、ハブユニットとして予圧保証を行うことでの性能ばらつきの低減など、多くのメリットがあることを述べた。温度による粘度変化の少ない合成油を基油としつつ粒径を微細に制御し攪拌抵抗を低減したウレア系増ちょう剤を用いたグリースなどで低トルク化を推し進めた「HUB-LFT」を四輪車に採用することで、0.5%の燃費改善効果が図れることを報告。さらに、センサ内臓のハブユニットによって路面の変化をとらえることで、ステアリングや駆動部品と協調しての統合制御が可能という同社の強みを強調した。
百々路氏百々路・軸受開発部長

ボールハブユニットボールハブユニットのカットモデル

 続いて亀山工場長の伊藤 隆氏からは、昨年稼働を開始した第2工場がハブユニット生産のグローバルモデル工場となるための以下の四つの取組みや成果についての報告があった。「物流改善」では、折り返しラインから直線ラインに変更したことで搬送動線長さを40%削減したほか、工程内ワーク持ち数を40%削減。「省エネ推進」では、全照明のLED化と採光窓による自然光活用による照度調整などで、電力消費量を30%削減した。「安全、クリーンな作業環境つくり」では、研削液を供給する集中クーラント装置においてクーラント配管でミストを回収することで、ミスト発生量を66%削減している。「競争力向上」では、自社開発のIoEシステムの適用状況を紹介。稼働監視システムを用いて、予兆管理による製品品質の向上、保全・寿命・異常の兆候管理による設備の信頼性向上、技能伝承による人材育成を目指すとした。
伊藤工場長伊藤・亀山工場長

 さらに、IoE推進室 第1グループ長の都築俊行氏から、設備・モノをつなげる「つなげるソリューション」、人と情報をつなげる「見える化ソリューション」、収集・解析、改善し価値を向上させる「バリューソリューション」、範囲を拡げ、さらにつなげる「チェーンソリューション」の四つのIoEソリューションについて説明があった。今後の進め方としては、現場運営のノウハウとデータ・情報を融合させることが大事で、これによって製品品質の兆候管理ができる「品質のIoE」、寿命・異常の兆候管理ができる「保全のIoE」、人も含めた生産性向上ができる「生産のIoE」の三つのIoEという、新しい価値を創造できると述べた。
都築氏都築・IoE推進室第1グループ長

 その後、亀山第2工場のハブユニット生産ラインの見学会が催され、今後世界のハブユニット工場で展開する新しいグローバルスタンダードライン(GSL2)が披露された。IoE導入によって、ラインアンドンなどで内軸、内輪、外輪の研磨や組立ての作業状況を見える化し生産改善につなげているほか、振動・温度センシングによる研削盤のスピンドル用ベアリングの兆候管理システムを用いて、異常のしきい値を超える前に計画的に保全を実施することでベアリングの摩耗に伴う設備の突発停止を防止し、止まらないラインづくり、さらには生産性向上に寄与していることなどが紹介された。
ラインアンドン設置されたラインアンドンの例

予防保全予防保全システム概要図