ジェイテクト、軸受などの事業概況や新規事業を発表

 ジェイテクトは11月27日、東京都中央区の東京ジェイテクトビルで記者説明会を開催、安形哲夫社長(写真)が、2017年の事業展開を振り返りつつ、将来の自動車市場への対応や将来の成長を見据えた新規事業について説明した。
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 事業展開の振り返りとして、ステアリング事業では、摩擦による変動を半減し滑らかな操舵感を実現するとともに、ボールねじ構造による高出力化が図れるラックパラレル式電動パワーステアリング「RP-EPS」をすでに日米で量産開始、2019年に中国での現地生産化を推進することでグローバル生産体制を確立する計画と、デュアルピニオン式電動パワーステアリング「DP-EPS」の欧州、中国、北米、日本での量産化を推進中である状況を報告した。こうした下流アシストEPSの強化によって市場が拡大する中でのトップシェアを確保しつつ、成長する中・大型車向けを含む、EPS市場のニーズに応えていく姿勢を打ち出した。また、モロッコ進出によって欧州事業の安定成長を図るとともに、拡大するインド事業を強化する方向性を示した。さらに、ステアリングシステム基盤を強化する狙いで富士機工を傘下に収めたことや、自動運転対応など次世代ステアリング開発力の強化を狙いとして電子技術力を強化する「IT開発センター」を秋田に設立したことなどを報告した。

 また、軸受事業と工作機械・メカトロ事業では、国分工場の産業機械向け軸受のマザー工場化を推進しつつ、ハブ軸受ラインを移設した亀山工場ではグローバルハブモデル工場として収益基盤を構築するなど、競争力向上に向けた取り組みを加速するとした。また、既存の工作機械に搭載し主軸トルクなど各種データを収集・蓄積し解析できるモジュール「TOYOPUC」をベースに、亀山工場と香川工場において、人を主役として人と設備が協調して改善・成長していくスマートファクトリーづくり「IoE(Internet of Everything)」を導入、競争力を向上し、労働人口減少への対策を図っていく考えを示した。

 招来の自動車市場への対応としてADAS(先進運転システム)対応では、EPSのトルクセンサーによりドライバーがハンドルを掴んでいるか離しているかを検知するセンサー技術「ハンズオンディテクション」や、センサーを通じてドライバーの運転意志を検知し、自動走行から手動走行へシームレスに移行するシステム「操舵権限移譲技術」、統合制御システムからの操舵意思の発生時に、路面状況や車両姿勢などに応じて適切に車両を操舵する「高精度舵角制御」という、人と車の意思が調和する自動運転対応技術の開発を推進。さらに、EPS搭載が難しく自動運転化が困難と見られる大型輸送車(バス・トラックなど)向けでは、EPSの制御技術をコラム同軸アクチュエーターに応用、アクチュエーターがドライバーの代わりとなって油圧式パワーステアリングを操作する自動運転対応ステアリングシステムの開発を進める。

 またEV化対応では、高速回転対応SBBや小型・軽量のボールハブベアリングといった、EV化を見据えた高機能商品の開発などを推進する。

 さらに将来の成長を見据えた新規事業では、社会動向や環境の変化を先読みして、持続的成長の柱となる新領域の事業位によって社会に貢献していく狙いを説明。大型車へのEPS搭載には12Vの車両電源では出力が不足するとして、同社では補助電源システムとして従来にない85℃という耐熱温度を持つリチウムイオンキャパシタを開発、自動車分野以外でも鉄道や建設機械、工作機械など幅広い分野で引き合いがあり、展開が見込めるとした。

17113002ジェイテクト高耐熱リチウムイオンキャパシタイメージ(充放電システム)

 また、同社がEPSで培ったアシスト技術や軸受で培ったトライボロジー技術、ロボティクス技術といった強みを活かして製造現場の軽労化・省力化を目指して開発した、最大10㎏のアシスト力を実現する「パワーアシストスーツ」を公開。同社の軸受・工作機械の販売ネットワークなどを利用して、2018年度から日本国内で販売を展開していく計画を発表した。

17113003ジェイテクトパワーアシストスーツ