NTN、鉄道車両用「小型密封式車軸軸受ユニット」を開発

 NTNは、鉄道車両用の車軸軸受ユニットの幅寸法(軸方向寸法)を従来品比で約15%短縮した鉄道車両用「小型密封式車軸軸受ユニット」(複列円すいころ軸受)を開発した。

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 列車の走行を支える車軸軸受ユニットには、一般的にメンテナンスフリーで60万km以上使用できる高い信頼性が要求される。車軸の剛性が低い場合、車体重量によるたわみが大きくなり、車軸軸受ユニット部品間にフレッティング摩耗が発生し、その摩耗粉が軸受内部に侵入すると、軸受内部の潤滑不良や摩耗、はく離などの不具合につながるおそれがある。これらの不具合の原因となる車軸のたわみを抑制するため、車軸軸受ユニットには軸方向寸法の短縮が求められている。

 また、密封式の車軸軸受ユニットは、外輪に嵌合したオイルシールによってグリースの漏洩を防いでいるが、密封性を確保するには、オイルシールと軸受回転部(内輪、ころ、保持器)の距離を長くし、軸受内部の空間を確保する必要がある。そのため、オイルシールは軸受幅の外側に配置され、車軸軸受ユニットの軸方向寸法の短縮には限界があった。軸方向寸法の短縮には、オイルシールよりも構造が簡易なシールド板を使用する方法もあるが、オイルシールと比べグリース密封性の低さが課題となっている。

 今回開発した鉄道車両用「小型密封式車軸軸受ユニット」は、オイルシールのスリーブ先端を外径方向に曲げて堰を設け、シールリップ部へのグリースの移動を抑制するとともに、シールリップ形状としめしろを最適化した新しいシールを採用している。その結果、グリース密封性が向上し、オイルシールを軸受幅の内側に配置して軸方向寸法を短縮することが可能となった。

 車軸軸受ユニットとして従来品と同等の定格荷重や高速性、グリース密封性などを確保しながら、軸方向寸法の約15%短縮により、車軸のたわみを約30%低減し、摩耗粉の発生を抑制することで、車軸軸受の耐久性の向上に貢献する。