ジェイテクト、軸受、ステアリングや新規事業などの事業戦略を発表

 ジェイテクトは12月12日、東京都中央区の東京ジェイテクトビルで記者説明会を開催、安形哲夫社長が、中期経営計画における軸受、ステアリング、駆動、工作機械・メカトロ、さらには新規事業の各事業の成長戦略について報告したほか、企業価値向上に向けた取組みについて説明した。

181221ジェイテクト01: 安形哲夫社長181221ジェイテクト01: 安形哲夫社長

 軸受事業の成長戦略では、特に商品戦略では低トルク技術の深化や電動化・新領域への対応を進めることを、グローバル戦略ではオペレーションのレベルアップ(無人化/自動化)と新商品開発(グループ軸受戦略推進)の方策を示した。グループ軸受戦略推進では、工作機械主軸用軸受など超高性能軸受の開発や、新領域への参入、ニードルローラーベアリング(NRB)開発拠点の集約を進める。新領域への参入では需要の増加する制御型磁気軸受の取扱いを開始、国内唯一の磁気軸受メーカーであるMUTECSと合弁で「光洋マグネティックベアリング」を設立した。NRB開発拠点の集約ではグローバルトップシェアを目指し国分工場、東京工場、宇都宮機器に分散していた商品開発、生産技術拠点を本年6月から清原新工場が稼働している宇都宮機器に集約。貧潤滑対応スラストや高性能樹脂保持器など環境変化に対応した低摩擦・長寿命の新世代商品の高効率な開発を加速させる。

 ステアリング事業ではまた、トップシェア25%を維持し続けるとともにADAS等のステアリング先進技術のトップランナーであり続けるべく、ラックアシストEPSの確実な立ち上げと事業拡大、また、次世代交通システム・自動運転対応新システムなど未来の自動車社会への貢献に向けた新技術開発、さらには自動運転用ソフト開発会社設立で合意したデンソー、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトの4社の協業を進める。未来の自動車社会への貢献に向けた新技術開発では、自動運転制御や、車いす利用者などが解除なしでスムースに乗降できる正着制御により、すべての人に優しく使いやすい次世代都市交通社会へ貢献の貢献を目指す。また、自動運転対応新システムとしてLink-less Steer By Wireを 2023年実用化に向けて開発、交通事故ゼロ社会への貢献を目指す。

 駆動事業ではAWDや油圧などの強みを活かした特徴あるシステムサプライヤーとして、ドライブライン領域の深化や、油圧システムの強化、AWDシステム対応を進める。油圧システム強化では、強みを活かし電動化・省エネルギーでの用途拡大を狙う。すでにEVモーター冷却用電動ポンプ(EOP)を初受注、2020年11月に欧州生産を開始する。AWDシステム強化では、電動化を見据えたE-AWD(モーター駆動)システムの実用化にめどをつけた。

 工作機械・メカトロ事業では、ギヤの小型化やエンジンのダウンサイジングなど自動車パワートレーンのトレンド変化への対応の強化、機械をスマート化などによって労働人口減少への対応強化、リビルドして販売するといったアフターサービスでの基盤づくりや、ニーズ先取りで航空機など新分野の開拓を図るなど、事業構造改革に取り組む。また、すでに納入実績の多いリチウム電池用設備やFCV用設備の納入を進める。

 さらに将来の成長を見据えた新規事業の取組みでは、-40~85℃に対応しつつ冷却システム不要でエネルギーロスなく使用できる独自開発のリチウムイオンキャパシタが、自動車分野以外でも鉄道や航空機、建設機械、加工機、医療機器など幅広い分野で引き合いがあり、2019年10月から花園工場で月産4万セルの生産を予定していることを報告した。また、EPSで培ったアシスト技術や軸受で培ったトライボロジー技術、ロボティクス技術といった強み(シーズ)を活かして、本年8月に販売を開始したパワーアシストスーツ「J-PAS」について、従来品よりも約50%軽量化しつつ業界最小の腰幅を実現した第2弾「J-PAS LUMBUS(ジェイパス ランバス)」を来春発売することが発表された。

 最後に、安形社長自らが就任以来重点推進してきた、企業価値向上に向けたファンダメンタルズの強化について説明。「将来の収益基盤を担う新規製品・サービス創造のため研究開発費の増加傾向は維持し、新規事業育成に厚めに投資」する基本姿勢を強調した。今回は特に、防災活動の取組みを紹介。企業のBCPでは、被災時に企業活動を円滑に継続することを目的に指揮命令系統の確保や生産活動の維持を実現させるために計画したものが一般的だが、同社ではこのBCPを支える基本として社員とその家族の安全確保、さらには個人・家庭の減災に向けた個々人への防災意識の浸透までを企図した取組みを推進していることを紹介した。

 記者説明会に続いて、今回発表されたパワーアシストスーツ第2弾「J-PAS LUMBUS」の試着・効果体験会が行われ、女性の被験者などから、軽くコンパクトで動きやすいといったコメントがあった。

1221ジェイテクト02: パワーアシストスーツ第2弾「J-PAS LUMBUS」の試着・効果体験会のようす1221ジェイテクト02: パワーアシストスーツ第2弾「J-PAS LUMBUS」の試着・効果体験会のようす