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第9回ものづくりワールド名古屋

 

「ハノーバーメッセ 2023」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけ

 International Linkageドイツメッセ日本代表部(代表:竹生学史氏)は、1月18日、東京都千代田区のステーションコンファレンス東京で、本年4月17日~21日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される世界最大級のB to B向け産業技術の専門展示会「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2023」に関するプレスカンファレンスを開催した。当日はドイツメッセ日本代表部 竹生氏の司会のもと、同展の概要や見どころについて紹介され、日本からの同展への参加を呼びかけた。

ハノーバーメッセ 2023の概要

 ドイツメッセ ハノーバーメッセ担当 Global Directorのバシリオス トリアンタフィロス(Basilios Triantafillos)氏より、ハノーバーメッセ 2023の概要が以下のとおり紹介された。

・ハノーバーメッセは、デジタル技術をうまく活用して産業に大きな革新をもたらす「インダストリアルトランスフォーメーション(IX)」のショーケースで、今回は世界50ヵ国、機械工学、電気工学、エネルギー、ソフトウェア、IT分野の4000社以上の出展社から8000点超の革新的な製品・ソリューションが披露される

・メインテーマは「Industrial Transformation – Making the Difference(インダストリアル・トランスフォーメーション-変化をもたらす)」で、中でも核となるのがデジタル化とサスティナブルなものづくり。デジタル化とエネルギー管理によって、資源を節約し、炭素排出量を削減できる方法が紹介される

・今回のパートナーカントリーは東南アジア諸国連合(ASEAN)地域最大の経済国、インドネシア。基本テーマ「Making Indonesia 4.0-Connect to Accelerate」(インドネシア4.0の実現—連携して加速)のもと、ホール2のインドネシア・ナショナル・パビリオンでは、約150の企業・組織による展示に加えて、インドネシアの産業能力、外国人投資家向けの経済特別区および不動産、教育・人材プログラムにスポットライトを当てる

・デジタル化とサスティナブルなものづくりが核となる本展で提示されるメガトレンドとしては、インダストリー4.0、カーボンニュートラル生産、AI&マシンラーニング、エネルギー管理、水素&燃料電池の五つ。中でも水素&燃料電池は長年テーマとして掲げているが、今回は過去最高の400社以上の企業が関連製品・ソリューションを紹介する

・本展は、Automation, Motion & Drives(オートメーション、モーション&ドライブ)、Digital Ecosystems(デジタル・エコシステム)、Energy Solutions(エネルギー・ソリューション)、Engineered Parts & Solutions(工学部品・素材&ソリューション)、Future Hub(フューチャーハブ)、Compressed Air & Vacuum(コンプレッサー&真空技術)、Global Business & Markets(グローバルビジネス・マーケット)の七つの展示エリアに分かれている

・ホール17では、300社を上回る様々な技術分野のスタートアップ企業が、ディスラプションの可能性を秘めたイノベーションを披露する。今回はハッカソンも実施される

・科学界、ビジネス界、政界の第一人者が一堂に会する会議ステージでは、グローバル産業における現在の課題や機会について論じる。Industrial Transformation Stage(インダストリアル・トランスフォーメーション・ステージ)では、スマートで持続可能な生産における技術横断的・産業横断的な交流に焦点を当てる。Energy 4.0 Stage(エネルギー4.0 ステージ)では、エネルギーインテリジェントで、気候変動に配慮した、持続可能な未来のためのソリューションを中心に取り上げる。Industrie 4.0 Stage(インダストリー4.0 ステージ)では、資産管理シェル、OPC UA、マシンラーニング、クラウド&エッジコンピューティング、データスペースなどのトピックをカバーする。Tech Transfer Stage(技術移転ステージ)では、科学、ビジネス、政治を対象に、応用産業研究分野の最新プロジェクトを紹介する。Industrial Wireless & 5G Stage(産業用無線&5Gステージ)では、最新の無線通信技術を活用して、生産ラインやイントラロジスティクスの柔軟性、自律性、効率をさらに高める方法にスポットライトを当てる。Industrial Startup Stage(産業スタートアップ・ステージ)では、スタートアップ企業、起業家、ネットワーカー、インキュベーター、アクセラレーターによるピッチやプレゼンテーション、議論を行う。Trade & Invest Stage(貿易&投資ステージ)では、国際貿易における現在の課題や投資機会にスポットライトを当てる(エネルギー、経済政策を含む)。Partner Country Indonesia Stage(パートナーカントリー・インドネシア・ステージ)では、製品紹介や政策に関する議論、ハノーバーメッセで展示されている技術に関する話題といった幅広いプログラムを提供する

・とりわけ高度な技術イノベーションを示す製品またはソリューション(対象は産業界ですでに実績のある技術ソリューションに限定)を生んだ企業に対し贈る世界有数の産業賞「HERMES AWARD」の表彰が、本展のオープニングセレモニーの場でドイツ連邦教育研究省大臣のベッティーナ・シュタルク・ヴァッツィンガー氏によってなされる

・第16回 日独ビジネスフォーラムが開催され、両国から企業・専門家が参加し、両国の直面しているサスティナブルなものづくりとエネルギー供給をテーマに議論がなされる

・オラフ・ショルツ首相やベッティーナ・シュタルク・ヴァッツィンガー大臣、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領などが登壇する

ハノーバーメッセ 2023の見どころ

 また、ゲストスピーカーとして、2016年にドイツPlattform Industrie4.0とIoT/インダストリー4.0の分野で協力を行う旨の共同声明を発表以降、IoT/インダストリー4.0に関する様々な課題の解決に向け連携を続けているロボット革命イニシアティブ協議会(RRI) インダストリアルIoT推進統括の中島一雄氏より、ハノーバーメッセ 2023の注目すべきトレンドについての紹介があった。

・注目のトレンド①は、資源循環、脱炭素。天然資源の利用を半減させつつ持続的発展を実現しなくてはならず、デジタル製品パスポートやリマニュファクチャリングに代表される、一度使ったものを使い倒すような社会変革と産業構造の変化が必要であるというドイツの循環型経済ロードマップなど、技術だけはでなく、どうシナリオを作っていくかを参考にしたい

・注目のトレンド②は、産業データの連携-データベース。ドイツ発の自動車のLCAに関わるデジタル・エコシステム「Catena-X」、さらにはそれをひな型に産業全体に広げる取組みである「Manufacturing-X」などがいよいよ社会実装されようとしており、インダストリー4.0でも大きなテーマであるManufacturing-Xは今回の大きな目玉と見られる

・注目のトレンド③は、デジタルツインの社会実装。ZVEIショーケースでの、アセット管理シェル(AAS)を用いた製品カーボンフットプリント算定のデモも必見

・本展ではRRIも登壇し、日独連携の成果をアピールする予定

ハノーバーメッセ2023 プレスカンファレンス bmt ベアリング&モーション・テック
左から、登壇したドイツメッセ バシリオス トリアンタフィロスとRRI 中島一雄氏、
司会を務めたドイツメッセ日本代表部 竹生学史氏