ジェイテクトのボールスプライン付推進軸が、新型特急形気動車に採用

 ジェイテクトのボールスプライン付推進軸が、四国旅客鉄道 (JR四国)の2700系特急形気動車に採用された。本製品は独自のボールスプライン構造により、車両の安定走行を補助し、乗客の乗り心地向上と安全な鉄道輸送に貢献する。東京工場で本年から量産を開始、鉄道車両メーカーや鉄道事業者などに販売を展開し、2000万円/年の売上を目指す。

kat19022801ボールスプライン付推進軸

 2700系はJR四国が予讃線、土讃線、高徳線で使用している2000系特急形気動車の老朽化に伴い新しく投入された特急形気動車で、2000系と同様に制御付振子システムとジェイテクトのボールスプライン付推進軸が採用された。

kat190228022700系

kat190228032700系駆動系概略図

 制御付振子システムは、山間部等カーブが多い区間での最高運転速度アップと乗り心地を両立させるため、カーブによる遠心力を緩和する方向に車体を空気シリンダで傾斜させる機構で、このシステムの採用により、2700系の車両最高運転速度は130km/hを達成している。

kat19022804制御付振子システム

 この制御付振子システムが作動すると推進軸が伸縮するが、一般的なスプラインでは雄スプラインと雌スプラインの間にすべりが生じるため、スプライン部のスライド抵抗が大きくスムーズな振子作用の妨げになる。

19022805一般的なスプライン(雄スプラインにナイロンコーティングあり)

 一方、ボールスプラインでは雄スプラインと雌スプラインの間に複数列のボールが配置されており、ボールの転がりによってスライド抵抗を大幅に低減しているため、振子作用を妨げることなく車両の性能を充分に発揮することが可能になる。

kat19022806ボールスプライン

kat19022807トルク負荷時のスプラインスライド抵抗

 ジェイテクトのボールスプライン付推進軸は、1990年の2000系向け量産開始以降、他のJRや第3セクターの制御式振子気動車にも採用されており、30年近い実績をもつ。 また、大型観光バスや路線バス用ノンステップ低床バスにもエンジン振動吸収による乗り心地向上を目的としてボールスプライン付推進軸が採用されている。

kat19022808バス用ボールスプライン付推進軸

kat19022809ノンステップ低床バス