滑り軸受専門委員会、国際会議をロンドンで開催

 滑り軸受のISO/TC123国際会議が10月26日~28日、BSI(英国規格協会)主催により、ロンドンのBSI会議室で、7ヵ国33名の出席のもとに開催された。会議の主な審議の概要は以下のとおりで、日本からは規格案7件と計算法に関する分科委員会SC8設立の提案がなされた。
TC123

10月26日
【SC2(材料及び潤滑剤、その性能、特性、試験方法及び条件)会議】幹事国:ドイツ
・ソリッド軸受用アルミ合金のDIS(国際規格案)の審議…審議の結果、出版することで合意
・潤滑剤による軸受金の耐腐食性試験のDIS…審議の結果、FDIS(最終国際規格案)投票にかけることで合意
・金属多層軸受の非破壊浸透試験のDIS…他の材料とプロセスに関しスコープを調整するための投票をすることで合意
・金属薄肉半割り軸受-シグマ0.01限界の決定のDIS…2度目のDIS投票をすることで合意
・日本から規格案PWI提案1件…「実際の連接棒を用いた自動車用エンジン軸受試験機」の規格原案を発表、審議が行われ、半年内に NWIP(新規提案)に関する投票をすることで合意

【SC3(寸法、許容公差及び構造詳細)会議】幹事国:ドイツ
・ドイツ提案の潤滑と制御に関するDIS…2回目のDIS投票を行うことで合意
・4件の巻きブシュに関するDISの審議…1件のDISはFDIS投票へ回し、3件は出版することで合意
・1件のリングタイプスラストワッシャーに関するDISの審議…メーカーから資料を集め、資料を改訂し、次回会議用に回付することで合意
・1件のバイメタル半スラストワッシャーに関するDISの審議…出版することで合意

10月27日
【SC5(品質分析および保証)会議】幹事国:ドイツ
・ドイツ提案の軸受の清浄度のTS(Technical Specification)…CD(委員会原案)投票開始を合意
・ドイツ提案の連続肉厚測定のTR(技術報告)…ドイツが改定案のNWIPを提出すことに で合意
・薄肉半割り軸受-肉厚及びフランジ厚さ測定のDIS…規格案を第2回のDIS投票へ進めることに合意
・品質特性-統計的プロセス制御のDIS…FDIS投票へ進めることに合意
・品質保証-サンプルタイプのDIS…FDIS投票へ進めることに合意
・デザインFMEA(故障モードと影響解析)のDIS…出版することに合意
・選択篏合のDIS…出版することに合意

【SC6(用語及び共通事項)会議】幹事国:日本(議長:オイレス工業・笠原又一氏、幹事:大豊工業・畑中雅憲氏)
・日本が改訂作業中の用語に関するDIS3件…Part1は2回目のDIS投票を行う事で合意。Part2およびPart3はFDIS投票を行うことで合意
・日本提案の滑り軸受の取り扱い法のNP(新業務項目提案書)1件…審議の結果次のWD(作業文書)に進むこととなった
・GPS(製品の幾何特性仕様)規格…従来から継続審議中であるが、各国において滑り軸受メーカー側からの要望は少ない。ドイツから、GPS適用について軸受ユーザーの要望があるか否かに関するアンケート調査実施の提案があり、検討することとなった。

10月28日
【SC7(特殊軸受)会議】幹事国:日本(議長:大同メタル工業・田中 正氏、幹事:同社・片桐武司氏)
・日本提案の直接潤滑軸受規格案NP1件…投票の結果、本規格案をPWI(予備業務項目)とすることに決定
・日本提案の規格案NWIP1件:自動車用ターボチャージャの滑り軸受材料…規格案の説明があり、NWIP投票をすることを決定
・韓国提案の規格案NWIP1件:フォイルスラスト軸受の試験法…規格案の説明があり、NWIP投票をすることを決定

【TC123会議】幹事国:日本(議長:染谷常雄氏、幹事:片桐武司氏
・Business Planの改訂
・議長の任命、再任等(4件)
・軸受計算法の規格案WD4件…審議の結果、まずはドイツとイギリスで審議し、その結果を踏まえて各国で審議することとなった
・日本提案の分科委員会SC8(計算法)の設立…CIB(Committee Internal Balloting、電子投票)の結果と設立の経緯が説明され、現在TMB(技術管理評議会)が幹事国の割当てを審議中(日本・タイか中国か)。

 次回の国際会議は2017年11月8日~10日にマニラで開催することが決まった。

 なお、染谷TC123議長は、本年末でISOの新ルールである9年任期の満了となることから退任を表明、現在交代の手続き中であることを報告しつつ、「2000年にTC123と各SCのPメンバー(投票権のあるメンバー)になって以来、滑り軸受の国際標準化活動に参画できたことを非常にうれしく思う。2004年~2010年にはSC6の議長を、2008年からはTC123親委員会の議長を務めることができた。この間SC6、SC7という分科会が新設され、間もなくSC8も設立されようとしている。会議開催が長年停止していた親委員会TC123も再興され、委員会メンバーの努力によって、多くの重要な規格が作成され改訂された。関係各位の協力と支援に深い感謝の意を示したい。議長を退任した後も、滑り軸受の勉強は続けたい。滑り軸受は私の人生だから」と退任の挨拶を述べた。