2016年"超"モノづくり部品大賞 贈賞式、大賞にノリタケカンパニーリミテド

 モノづくり日本会議と日刊工業新聞社は11月30日、東京・西新宿のヒルトン東京で第13回/2016年「"超"モノづくり部品大賞」贈賞式を開催した。「"超"モノづくり部品大賞」には今回、ノリタケカンパニーリミテドの開発した、カーボンフリー燃料の直接供給型燃料電池用部品「セラミックスセル」および「封止ガラス」が輝いた。受賞者代表挨拶に立った同社執行役員開発・技術本部長商品開発センター長の永田 滉氏は、「今回の受賞は環境向上に取り組む企業と技術者の励みになるもの。一日も早く実用化を図り、地球環境保全につなげたい」と語った。
ノリタケ永田氏受賞者代表挨拶に立ったノリタケカンパニーリミテド・永田 滉 執行役員

 日本の自動車や電機、機械などの各種製品は、世界中で高い評価を得ているが、日本のものづくりの強さの源泉は、縁の下の力持ち的存在である優れた部品・部材に支えられている。同賞は、完成品の一部として優れた機能を発揮しながらも、一般には知られていない部品・部材を広く世の中に知らしめ、その功績を称えて、部品・製品の認知度を高め、ものづくりの現場に携わる層を鼓舞する目的で設けられたもの。

 主な受賞部品は以下のとおり。

【"超"モノづくり部品大賞】
●ノリタケカンパニーリミテド「カーボンフリー燃料の直接供給型燃料電池用部品 セラミックスセルおよび封止ガラス」…燃料の水素を都市ガスから製造する過程でCO2が発生する一般的な燃料電池に対し、カーボンを含まないアンモニアを直接燃料にしてCO2が発生しない燃料電池のセラミックスセルおよび封止ガラスという心臓部を開発した。セルと金属板が封止ガラスで接合された「スタック」にアンモニアを供給するとセラミックスセルなどが腐食・劣化するが、110年以上培ってきた食器用絵具の製造プロセスや釉薬の要素技術を応用することでセラミックスを腐食・劣化のない成分構成とし、アンモニアを燃料とした固体酸化型燃料電池(SOFC)で200Wクラスと世界最大規模の発電に成功したことが評価されたもの。
大賞部品大賞で表彰されたノリタケカンパニーリミテド・永田氏

大賞受賞部品セラミックスセル

封止ガラス封止ガラス

【環境関連部品賞】
●NTN「低トルクシールリング」…低トルク、低摩耗、低オイルリークを実現した自動車用トランスミッション向け商品。トランスミッションの油圧回路内で相対運動する軸とハウジングの間に組み付けられ、すべり運動しながらオイルを密封する役割を果たす。特殊充填材を配合したPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂製で、幅面に設けたV字状の潤滑溝による動圧効果により、同社従来品比60%減の低トルク化を実現した。また、従来品同等のシール特性を維持しながら、シールリングの摩耗量も従来品比10分の1以下に低減している。トルク低減によるトランスミッションの高効率化により、自動車の低燃費化に貢献することが評価された。

環境賞環境関連部品賞で表彰されたNTN精密樹脂 社長の 牟禮俊宏氏(右から二番目)

低トルクシールリング低トルクシールリング

●JXエネルギー「省燃費自動車用ギヤ油 ギヤグランドDXシリーズ」…同社従来品比平均 3%以上の燃費向上とギヤの耐久性維持の両立を実現したギヤ油。エンジン油の燃費向上は、主に粘度を下げることで達成していたが、ギヤ油においては、ギヤやベアリング等の摩擦損失が増大することで耐久性を損なうため、低粘度化による燃費向上が図れず、商品化が困難とされてきた。同品は、従来品の粘度を維持しつつギヤ間の潤滑性を向上することに成功、大型トラック・バスの燃費向上を可能にし、特に運送業界における環境志向へのニーズの高まりに対応できることなどが評価された。
省燃費ギヤ油省燃費自動車用ギヤ油 ギヤグランドDXシリーズ

【機械部品賞】
●日本精工「NSKリニアガイド NHシリーズ、NS シリーズ」…ボール溝の設計変更によって接触面圧を低減、従来比2倍以上の長寿命化を実現した直動案内機器。小型でも寿命が長いため省スペース化が図れる。動定格荷重も従来比1.3倍に向上した。長寿命化によって、液晶・半導体製造装置や産業用ロボット、工作機械などの生産性の向上、メンテナンス期間の延長、装置の小型化などに寄与できることが評価された。
機械部品賞機械部品賞で受賞された日本精工 直動技術センター LG技術部長の加藤総一郎氏(一番左)

直動案内NSKリニアガイド NHシリーズ、NS シリーズ

●アイセル「超高精度 ・小型 ・高速直動アクチュエータ」…ガイド部とボールねじ部、軸受、カップリング、モータ、ハウジングで構成したアクチュエータで、従来は外形寸法28mm角が限界だったのに対し、ガイドとボールねじの一体化により同20mmと小型化したほか、芯ずれがなく0.1μmの高精度な微小直動送りを可能にした。ガイドとボールねじの一体化により部品点数を減少、従来品に比べ15%のコスト削減に成功したことなどが評価された。
アイセル」超高精度 ・小型 ・高速直動アクチュエータ